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太平洋戦争中 英国兵422人救出 高畠出身の工藤俊作旧日本海軍「雷」艦長
遺徳をしのぶ碑 建立へ募金活動 (2010年2月1日山形新聞掲載記事)

工藤俊作さん
工藤俊作艦長(大9卒)

 

 太平洋戦争中に海上を漂流していた英国兵422人を救助した旧日本海軍駆逐艦「雷」(いかづち)の工藤俊作艦長=高畠町出身:T9卒=の遺徳をしのび、同町内で顕彰碑建立の計画が進んでいる。町民有志による実行委員会(登坂捷一委員長:S20前卒、61人)が昨年11月に発足。今年11月に町内に顕彰碑を建てることを目指し、募金活動などに取り組んでいる。

 工藤艦長は1942(昭和17)年3月、ジャワ島北方沖で、撃沈された英巡洋艦「エンカウンター」の生存者が海上を漂流しているのを発見した。敵潜水艦などの脅威があった中で救助命令を出し、雷の乗組員が英兵を救出。さらに油で汚れた衛兵の体をきれいにふき取って食料と衣類を提供したほか、工藤艦長は英兵に英語で、「あなた方は名誉ある日本海軍の賓客である」とスピーチした。
  歴史に埋もれていたこの救助劇は、エンカウンターの乗組員として救助されたサムエル・フォールさんの証言によって明らかに。フォールさんはジャーナリストの恵隆之介さんらの協力で工藤艦長の消息を突き止め2008年12月、海軍中佐工藤俊作顕彰会の招きで来日。川口市にある工藤艦長の墓前に初めて赴き、献花して慰霊したほか、顕彰会に出席した。
  こうした動きを受け、国家や民族の垣根を越えて生命の尊厳を守った崇高な工藤艦長の行為をたたえようと、出身地の屋代地区住民からの要望を踏まえて昨年11月、町民有志が実行委員会を設立。目標額を300万円に設定して顕彰碑建立を計画しており、1月4日から一口2千円の募金を開始した。町総合交流プラザ内の実行委員会事務局で受け付けている。9月末に締め切り、地元の石材加工業者に制作を依頼する予定。
  同会は「工藤艦長の行動は生命を大切にする精神の表れであり、日本人の誇り。できるだけ多くの人たちから協力をいただき、町出身の素晴らしい人物がいたことを後世に広く伝えたい」としている。
問い合わせは同会事務局090(7668)0276。

遺徳しのび慰霊の献花 工藤艦長(大9卒)に救われた元英海軍大尉

2月1日山形新聞