走って守って地域に貢献・米沢を中心に活動「パトラン山形」代表・佐々木謙介さん(46・H3卒)
(2019年9月22日山形新聞より)
「一人一人が自主的に始め 楽しく続けられるように」
ランニングをしながら地域の防犯パトロールもしてしまおうという「パトラン(パトロールランニング)」。本県では昨年7月に県全体を活動エリアとする「パトラン山形」が発足し、トレードマークの赤いTシャツを着たメンバーが県内各地を走り回っている。米沢市を中心に活動している同会代表の佐々木謙介さん(46・H3卒)=高畠町安久津=にパトランの魅力や今後の展望を聞いた。
−佐々木さんが始めたきっかけは。
「パトランは防犯を主な目的にした活動で、通行人にあいさつしながら地域を回ります。2013年に福岡県で始まり、今では全国に広がっています。15年に会員制交流サイト(SNS)知り、『せっかく走るなら地域に役立つことを』と全国組織のパトランJAPANに入会しました。最初は一人で出勤前に家の近くなどを走りました。仕事は県職員。地域安全を担当する部署も経験しています。」
−県内でも活動は大きく広がりました。
「徐々に仲間が増え、いまは14市町に10〜70代の約60人の会員がいます。まずは県内35市町村に広げるのが目標です。米沢市では昨年から毎週水曜の夜に仲間が一緒に走る合同パトランをしています。時間は1時間ほどで、夜光反射材のたすきの配布や、ごみ拾いも一緒にします。ゆっくりとしたペースなので誰でも参加できます。現在は山形、南陽、天童、鶴岡でも合同パトランをしています。警察官も参加してくれています」
−活動の魅力は。
「一人でもグループでも、自由なスタイルで続けられます。参加目的も、防犯だけでなく健康づくりや仲間づくりなどさまざま。活動中に『ありがとう』と言ってもらえることが一番うれしいですね。ただ、防犯だけだと効果が見えにくくマンネリ化の危険性があるのも事実。ごみ拾いなど目に見える取り組みを合わせることで、活動の意味をより実感できます。高校生があいさつを返してくれるようになったり、自分が配った夜光反射材のたすきをお年寄りがつけてくれた時も、やっていてよかったと思います。防犯、交通安全の一環として不法投棄や道路の破損を行政に報告することもあれば、道端に美しい花を見つけることもあり、さまざまな『気づき』があります」
−今後の活動の可能性は。
「活動に当たって考えているのは『まずは自分が楽しむこと』。一人一人が自主的に活動を始め、楽しく続けられるようにしたい。啓発活動を『される人』はどうしても自分ごとじゃないと考えがち。『する人』を増やすことの効果は大きいと思います。防災分野などへの活動の拡大や、既存の防犯、交通安全団体や警察との連携もさらに深めたいと考えています」