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生産量多い乳牛育成・フィリピン・板垣幸樹さん(30・H18卒・川西町出身)
(2018年5月5日山形新聞より)


牧場で乳牛の妊娠鑑定をしている板垣幸樹さん(H18卒)

 青年海外協力隊の獣医・衛生の隊員として2017年7月にフィリピンに派遣されました。活動の任地はフィリピンの中央部、ビサヤ地域に位置するボホール島の国営酪農牧場です。

 牧場には現在150頭ほどの乳牛が飼育されています。熱帯地域のフィリピンでは多量の牛乳を生産する乳牛を飼育することは困難なため、乳製品のほとんどを輸入に頼っています。そのため牧場では暑熱に強く、牛乳の生産が多い乳牛の育成と、乳牛に適した飼料作物の生産を実施し、地域の酪農業の推進を行っています。

 任地に赴任してからの今までの約8カ月間は、今後の活動として何を進めていくか悩んだ時期でした。牧場の方針と自分ができることを配属先のカウンターパートと相談し、少しずつ活動の内容を決めました。その結果、前任の隊員から引き継いだ活動を含め、乳牛の繁殖検診、牧場内の寄生虫検査、牛乳の品質検査、病気の治療と予防の助言などを中心に活動する方向です。

 現在はこれらの活動を試験的に行っている段階です。私が日本で学んできたことが、、フィリピンの酪農牧場でも実現できる技術かを確かめ、牧場の従業員が理解して続けていけるものか試行錯誤を繰り返しています。

 私が課題として感じていることは言葉の壁です。牧場のスタッフの半数との会話は英語ではなく、現地語であるビサヤ語での会話です。私の周りにいるフィリピン人は気さくで優しい人が多いため、普段の簡単な会話程度なら私の内容を汲みとってくれます。

 しかし酪農業についての少し専門的な話になると、詳細な内容を伝えることが困難です。今後は分かりやすい技術を、分かりやすい言葉で伝えることを意識し、少しでも牛乳の生産増加を目指して活動を行っていきます。

■板垣幸樹(いたがき・こうき) 岩手大を卒業後、千葉県で5年間、産業動物の診療業務に従事した。フィリピンに派遣され、職種は獣医・衛生。川西町出身、30歳。