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「つながり」生んだ小説・創作ギャラリーの仲間・米沢清野さん(S43卒)執筆、加藤さん挿絵
(2016年2月19日山形新聞より)


作家同士の出会いがきっかけでできた「かくれタウンの猫の家」を自費出版した清野春樹さん(S43卒)

 米沢市芸術文化協会副会長の清野春樹さん(66・S43卒)=同市城西3丁目=が小説「かくれタウンの猫の家」を自費出版した。市内で創作活動をしている加藤あさ子さん(30)=同市=が挿絵を担当した。芸術愛好家が集う市内中心部にあるギャラリー「アートステーション」での出会いがきっかけだった。清野さんは「年齢も分野も違う者同士が刺激し合ってできた作品。仲間づくりが地域を元気にする。つながりの大切さを伝えたい」と話している。
 2009年にまちなかギャラリーの一環として設置されたアートステーション。現在は20〜90代の幅広い人たちが作品を寄せている。清野さんは文芸同人誌の発行を手掛けており、その中で今回の小説を執筆。同ギャラリーの紹介で、加藤さんに挿絵を依頼することになった。
 加藤さんは東北芸術工科大卒業生でもともと日本画専攻だったが、初めてペン画に挑戦。「魅力的な原画が次々にできた」(清野さん)ことから、挿絵をふんだんに用いて一冊の本にまとめた。
 物語は、主人公の「僕」が猫タウンに迷い込み、猫たちと繰り広げるやりとりを描いたファンタジー。「人間の知らないところに実はこんな世界があるのでは」という発想で生まれた。舞台は、米沢市の赤浜(万世町刈安)や田沢地区の山奥をモデルにしている。豊かな自然や猫タウンの様子が繊細な挿絵によって表現され、いつの間にか物語の世界に引き込まれる。
 猫タウンに住む芸術家の猫たちと僕との素直な会話は、アートステーションで交わされる作家同士のやりとりにも似ている。「人との関わりがいろんなことを気付かせてくれる」と清野さん。物語を通して「隠れている地域の良さや関係が希薄になっているコミュニティーの大切さを見直してもらえたらうれしい」と話している。
 A4変型判43ページ。1冊1500円(税別)で300部発行。アートステーションや市内の本屋で取り扱っている。問い合わせは清野さん0238(23)1729。

2月19日山形新聞