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日本が進む道鷹山公に学ぶ 米沢の高校教諭・遠藤さん(S60卒)自費出版(2012年1月10日山形新聞)

上杉鷹山の訓え
郷土の歴史から経済や教育、政治を学ぶ「上杉鷹山の訓(おし)え」

 江戸後期の藩と現代は状況酷似 「存続」の大切さ説く

 米沢市の九里学園高教諭遠藤英さん(45・S60卒)=同市矢来一丁目=が「上杉鷹山の訓(おし)え」を自費出版した。歴史を軸に、産業政策や社会保障、教育など広範に論を展開しており、難局に直面する現代日本の国民や地域が進むべき道を鷹山の治世から学ぶ内容となっている。

遠藤英さん
遠藤英さん(45・S60卒)

 著作の中で遠藤さんは、財政的にも政治的にも行き詰った現代日本が、江戸後期の米沢藩の状況と酷似していることを史実に基づき解説。鷹山が改革によって目指したのは「今日の繁栄」ではなく「未来の存続」であったと説き、少子高齢化による人口減少社会を迎える日本が進むべき道は当時の米沢藩同様「存続」であると指摘している。
 また、積み上げられた経験と知識に基づき発信される情報が重要性を持つ「情報化時代」を、人間性が完成するまでの成長段階になぞらえて「社会の老年期」と定義。鷹山が、師である細井平州の教えに基づいて実践した「譲」や「礼」を重視する教育が、情報化時代の現代においても求められていると説いている。
 遠藤さんは「当時、改革で赤字を解消した人は他にもいたが、新たな社会をつくり上げたのは鷹山だけ。産業の大転換期にある現代は世界中が鷹山のアドバイスを待っていると言える。“存続”のモデルを米沢の人間が示していくべきだ」と著作に込めた思いを語った。
 A5判281ページ。1部1200円。JR米沢駅内観光案内センター「ASK(アスク)」と九里学園高事務室で販売している。

 

1月10日山形新聞