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小5が歌舞伎 教える上級生も成長 酒井吉幸教諭(H4卒)
(2010年1月24日朝日新聞掲載記事)

 山形市などで23日に始まった日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会。全国各地の教職員が取り組みを報告しあう26の分科会では、山形県内の参加者も教育現場の現状や課題を発表した。
  上山市での分科会「地域における教育改革とPTA」では、小国町立沖庭小学校の酒井吉幸教諭(H4卒)が、児童が地区に伝わる歌舞伎を習うことで成長していく過程を紹介した。
  江戸時代末期、同町の古町地区に伝わった「古田歌舞伎」。1958年の公演を最後に途絶えたが、過疎化が進むなか、地域に元気を取り戻そうと住民が86年に復活させた。2年後には同小の子どもも学び始めたという。「子どもに『自分たちの歌舞伎なんだ』と思ってもらい、次の世代につなげようと考えたようだ」と酒井教諭。こうして「沖小歌舞伎」が誕生した。
  毎年10月の発表会では5年生が主役級を演じる。春から夏に担任や6年生から指導を受け、9〜10月は地区の歌舞伎保存会の師匠から学ぶ。酒井教諭は「目上の人への態度や芸を継承する難しさを感じることができ、指導係の6年生も『教える』ことを通じて成長した」と振り返る。
  公演が近付くと着付けやリハーサル、舞台設営などで保護者も手伝う。「地域や先生、親、子どもが一体となった活動」(酒井教諭)だ。町は小学校の統廃合を検討中で、酒井教諭は「いかに『沖小歌舞伎』を守っていくかが課題」と締めくくった。(記事後略)

 

1月24日朝日新聞