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高校生の就職難 面談会開けず苦境 置賜、求人ほぼ半減
「調整役」が奔走 小林栄さん(S38卒) (2010年1月12日朝日新聞掲載記事)

小林栄さん
就職希望の高校生のために奔走するコーディネーターの小林栄さん(S38卒)=米沢商工会議所

 

 高校生の就職が例年になく厳しい。内定をもらえないまま年を越した人も多いようだ。いつもの年なら秋に4地区で開かれるハローワーク主催の就職面談会が、置賜だけずっと「検討中」になっていたことが気になった。就職支援の現場を訪ねると、企業が採用に二の足を踏む背景や、置賜で独自に設けた高校生の就職を支援するコーディネーターが効果をあげていることが分かった。
  米沢市金池のハローワーク米沢で統括職業指導官の新関誠さんに話を聞いた。
  村山、最上、庄内では11月に面談会があったのに、なぜ、置賜だけ開かれていないのかを聞くと、「キャンセルせざるを得なかった」と、苦しい胸の内を明かした。
  置賜の中心街、米沢は製造業が盛んだ。不況のあおりを受けていたところに、円高が直撃した。昨年11月末現在、管内企業からの高校生の求人はほぼ半減。「企業経営者の立場になれば、雇用調整助成金を申請しながら、新人を採用したら、今いる社員に不安を感じさせると思うだろう」と説明する。
 教育現場はどうか。3年生の6割以上が就職を希望する米沢工高の大久保勝典・進路部長は5月中旬から宮城県や福島県も含めた企業を訪ねて、求人要請を重ねてきた。就職戦線の厳しさは分かっていたことだったが、合同の面談会が開かれないことを耳にして、「それぞれの学校で求人開拓をしないといけない」との思いを強めたそうだ。
  高校の先輩、後輩などの「縁」が内定に結び付くケースは減っており、学校単位での努力にも限界がある。大久保さんは「コーディネーターの存在が心強い」という。
  コーディネーターとは、元米沢商高校長で、昨年3月まで県立米沢女子短大キャリア支援センター長を務めた小林栄さん(65)のことだ。雇用情勢の悪化を受けて、県置賜総合支庁は今年度、「地域高校生就職支援コーディネーター事業」を立ち上げ、米沢と長井に配置した。米沢では、市内の高校に強いパイプがあり、就職支援の経験も長い小林さんに白羽の矢が立った。
  小林さんはまず、置賜3市5町全域の求人調査に着手した。調査票を送った1126社のうち、回収できたのはほぼ3分の1の381社にとどまった。「高卒採用未定」も78社を数えた。
  「未定」企業を中心に訪ね歩くとともに、各高校との情報交換を密にした。「どの高校にも知り合いがいる。協力していただきました」。地域が一体になった支援の効果もあって、11月と12月には前年を上回る求人があった。
  「先行きの不透明感で様子見だった企業が、求人を出し始めたのではないか」(後略)

 

1月12日朝日新聞